Bad Santa ★★★☆☆

Ura2005-01-07



サンタなのにアル中で女好きの上、サンタの仕事先であるモールやデパートで強盗まで働いてしまう男の物語。

ビリー・ボブ・ソーントンの女好きサンタははまり役で素敵だが、アメリカ的中途半端でぬるいブラック・ジョークが物足りない。
これがフランスまで行くと、「サンタクロースはゲス野郎」みたいな思い切ったブラック・コメディに仕上がるのになあ。残念だ。
唯一爆笑したのは、サンタの悪行(試着室で女性客とセックスしたり、罵詈雑言を吐いたり)に辟易した上司がサンタとその相棒の妖精(しかも本物の小人)を前に解雇を言い渡そうとした場面。
アメリカ特有のポリティカリー・コレクトネスを持ち出したサンタは、自分たちが解雇された暁にはどれほど酷い世間的バッシングを上司が受けるようになるかということを言い連ねていく。
そのことであっさり出鼻を挫かれた上司は結局彼らを解雇出来ずに、「この話はなかったということで」といってしまうのだ。
こういうのジョークが通用するのはアメリカならではなので、とても楽しかった。

しかし話が進めば進むほど、展開がぬるくなるのはイマイチ。しかも最後はやっぱりハート・ウォーミングなオチで終わるのだ。
悔しかったら最後にサンタを殺してみろ、って思ったのはわたしだけだろうか?
もっともあそこでサンタが死んでも、あまり物語的には盛り上がらないよなあ。

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