ベガルタVS 甲府 1−0

三位争いをしている甲府との直接対決。
試合前からこれは厳しい試合になりそうだな、と思っていたのだが、案の定。というか、それ以上だった。
わたしは先週、天皇杯の(大学生との!)死闘を観ていたので、試合後もそれほど疲れたりはしなかったが、連れは完全にぐったりして、疲れた疲れたと騒いでいた。

試合は前半の立ち上がりから飛ばしまくる甲府と、それについていくベガルタという構図で始まった。
甲府の突っ込みは激しく、一方のベガルタはやや緩い立ち上がり。
この時間帯の甲府を見て、失礼だが、「別に甲府はまぐれで上位にいるんじゃないんだな」と思ってしまった。
それほどまでに張り詰めた緊張感と勝利への渇望がピッチ上からむんむん感じられたのだ。
しかし対するベガルタ側の集中力もすごかった。
この試合は右に財前、左に梁が入っていたので、二人のサイドチェンジなど、サイドからの攻撃が結構見られた。
というか、左の梁は最初のうちこそ守備に追われ、あまり良いところが無かったように思うのだが、それでも財前とのサイドチェンジなどから攻撃を大いに助けていたと思う。
ちなみに今回左SBに入った磯崎は(普段の磯崎からすると)ミスが多いかなあと最初思っていたのも束の間、持ち前の正確なロングフィードと積極的なオーバーラップでどんどん攻撃にも絡み始める。
守備にはもともと危なげない磯崎のことなので、安心して見ていられたかな。
ま、磯崎はなんとなく審判に目をつけられたきらいがあって、ファールを多く取られていたんだけれども。

そして、前半22分、ついにシルビーニョのCKからバロンがヘディングで先制点を入れた。
これは確か、磯崎がもぎとったCKからだったと思う。
磯崎がシュートに持っていくまでは、右の財前から巧みなスルーパスが入ったり、見ていて興奮する場面満載だったなあ。

前半はそんなわけで、ベガルタがリードしたまま終了。
後半は中盤以降、特に財前と直樹が交代してからは甲府側の攻撃に耐える時間帯が長くて、ほんとうに心臓がちぢむかと思った。
この試合での財前はキレキレだったし、スタミナ切れという感じも全然しなかったのに、梁ではなく彼を交代したのは本当に残念だった。
しかも、この後、チームのバランスが悪くなってしまい、サイドの片側が完全に誰もいない、という場面も多々見られて怖かった。
まあ、この辺になると甲府側は前半飛ばしすぎたのが祟って、かなりミスが多くなっていたので、お互い様という感じか。
そしてベガルタは更に選手交代。
シュウェンクにかえて大柴、菅井にかえて清水。
大柴が出てきたことによって右サイドの深い部分をえぐるようなプレーが出てきて、再びベガルタ側が勢いを増すが、どうやら足をつっていた菅井にかわって清水が入ったことにより、中盤の守備に破綻が出始めた。
これは中盤でボールを奪えなくなったことにより、ワンボランチに入っていた直樹がどんどんかり出されたことからも明らかで、終盤のほうは完全に甲府ペース。
それでも無失点で終われたのは、一重にバック陣のふんばりとGK高桑の超人的なスーパーセーブの連発だ。
はっきり言って、並みのGKじゃ、この貴重な勝ち点3は取れなかっただろうと思う。
高桑がこの日の敢闘賞に選ばれたのには、その場にいた全員が納得だろう。
厳しいせめぎあいの続く試合で勝ち点3を取れたことには、本当に大きな意味がある。
その上、山形が横浜と引き分けたので、ベガルタは4位に浮上し、且つ、山形との勝ち点差がたったの1点というおまけまでついたのだから、笑いが止まらないではないか。

ともあれ、勝てて嬉しい。
次は横浜FC戦に参戦する予定。