背水の陣

夜はベガルタVS京都戦。
今日の試合を負けると、暫定二位の京都までの勝ち点差が8に広がってしまい、二位争いから脱落することになる。
ということはつまり、この試合は何があっても落とせないということだ。
この思いは、わたしだけではなく、スタジアムの観客全員、そして選手からもひしひしと感じられた。
それは17000人超えという動員数から見ても、試合開始そうそうから感じられた選手の気迫あふれるプレイからも感じられた。

ほんとうに、前半は見ていて有頂天になるほど理想的な試合展開だった。
なにしろ、FW2人(萬代と佐藤)とMFの財前が1点ずつ点を取り、最初に失点していたものの、3-1で折り返したのだ。
特に10試合ぶりにスタメンになった中田洋介の運動量には脱帽させられた。
右サイドをあのスピードで上って行く中田が一人入るだけで、攻撃のパターンが増える気がする。
勿論、すべて完璧というわけではなく、途中で中田が右サイドにフリーで待っているのに、左サイドでごちゃごちゃボールを回しているという場面もあったりして、やきもきしたりもしたのだけれど。

そして今日の驚き、萬代。
シルビーニョからのパスを受けて、一人でドリブルでゴール前まで走って行き、キーパーと1対1になった時は、見ているこちらの方がはらはらしたが、そこを焦らずに落ち着いてゴール。
U19代表になるほどの子なので、そりゃうまいに決まっているのだが、今日の萬代はほんとうによかった。



ところが、後半は時間が進むにつれて、どんどん集中力が切れて行くような個所が多く見られた。
試合の主導権はすっかり京都に握られ、明らかに守備に回ってしまったベガルタを相手に、京都の猛攻が延々と続く。
時折、中盤からのボールが前に回っても、ボールを受けた選手以外はまったく上がろうという気配がなく、結局どうにもならないという場面も数々見られた。
その上、あまり目の見えていない審判のせいで、DF小原にイエローが出、前半のカードを合わせてレッドで退場。
当然、ベガルタは更に守備を固めるべく、萬代に替えて根引を投入。
そんな試合展開をイライラしながら見ていた折、佐藤寿人がボールを受けた後、一人でゴールを目指して走り出し、再びゴールにボールを放りこむ。
結局その後も京都にまたもや1点返されてしまったものの、めでたく4-3で勝利。
2位までの勝ち点差がこれで4まで縮まった。

いや、今日の試合はほんとうに素晴らしかった。
後半からは結構穴もあったし、その分しっかり点も入れられてもいるんだけれど、この試合に勝ったということに意義があるのだと思う。
試合後、観覧席から見ていると、ベンチにいた選手やスタッフたちは全員立ち上がり(というか飛び上がり)、お互いに抱きあっていた。
そして空には花火が打ち上がる。
なんだかずいぶん久しぶりに花火が上がるのを見た気がする。勿論、言うまでもないが、勝利の花火を。
その後は、勿論、上機嫌で帰宅。