ル・ディヴォース パリに恋して ★☆☆☆☆

Ura2005-02-21


監督 ジェームズ・アイボリー
出演 ケイト・ハドソンナオミ・ワッツ、ジャン・マルク・バール、ロマン・デュリス


こんなひどい映画、久しぶりに観た。
どれだけひどいかというと、こんなくだらない映画を一時間以上も観続けることが出来るくらい自分が辛抱強いとは思わなかった。
最終的には観てられなくて、結局途中で止めてしまったのだから推して知るべし。


この映画は基本的にフランス人と結婚したアメリカ人の詩人(ナオミ・ワッツ)がパリで離婚を結婚する過程を描いている。
ある日突然夫が家を出て行き、ほかの女性に恋をしたから離婚して欲しいというのだ。
ところが妻の方は妊娠三ヶ月で、夫が浮気をしていたことも寝耳に水で、離婚はしないと言い張る。
この辺でフランス人である夫の家族を総動員して、フランス人とアメリカ人が文化的価値において、いかに違うかということを描こうとしている。


この作品を観ていると、やりたいことはわかるよ、と言いたい気持ちには一応なる。
フランス人とアメリカ人がいかに価値基準において異なっているかというのは、うまく描くことが出来ればほんとうに興味深い問題だ。
でもこの映画ではあまり成功していない。どう観ても、安っぽい昼メロ以上のものにはなりえてないなあ、というのが正直なところだ。
しかしフランス側にあれほど良い俳優陣を揃えておきながら、この程度のものしか作れないというのは一体どういうことなのだろうと訝しんでしまう。
ケイト・ハドソンにしたって、これほど非魅力的な彼女は初めて見たというほどの格好をしている。
詩人の姉の出産のため、パリに到着したときはまだマシだが、フランス中年男(しかも姉夫の叔父!)と付き合うようになって、フランスにかぶれだした頃からの変化は痛ましい。
アメリカからやってきた彼女の家族は、すっかり変身した彼女を見て「パリジェンヌみたいになったわね」と呑気なことを言うがなんのことはない、要するに失敗した市松人形みたいな髪の毛をして、赤いクロコのケリーをどこにでも持って歩くという、場違いなアメリカ娘でしかないのだ。
ナオミ・ワッツはまあ、ナオミ・ワッツだよなあと思う。
相変わらず綺麗だけど地味。華がまったく無い。
せめて「21g」で見せたような壮絶な演技を見せてくれたらと思うが、こういうロマンティック・コメディ(なのか?これは?)では、それも望むべくも無い。


ああ、それにしても、この映画を映画館で観なくてほんとうに良かった。
ほんとうに稀に見るcrap movieだった。