ヴィーセ塩釜VSグルージャ盛岡

Ura2005-05-22



サッカー場にてヴィーゼ塩釜VSグルージャ盛岡の試合があったので観に行ってきた。
なにせ昨日のベガルタVS鳥栖戦はラジオ観戦だったし、来週も福岡でのアウェイ戦が続くので、この辺で勝ち試合でも観ないとやってられないのである。
グルージャにはベガルタユース出身、そして去年までベガルタに在籍していた西洋祐がいるし、聞けば彼は前節?ハットトリックを決めたというではないか。
こりゃあ、西のハットトリックを実際この目で見て、来週までの英気を養っておこうという魂胆である。


サッカー場についてみると、東北社会人リーグ1部の試合とは思えないほど人が入っていた。1000人強くらいだろうか。
わたしたちの周囲にはグルージャの旗やらグルージャシャツを着た人などがたくさん集まっていたし、いかにも「ベガサポなんですけど、今日は西を応援しにきたんです」というような、どこかで見たような顔ぶれが集まっていて微笑ましい。
しかも天気は快晴。
こりゃあ、勝ち試合にはうってつけじゃないかと、試合が始まる前からやる気満々である。
ところが始まってみると、うーん、さすが社会人サッカー。単調な攻撃とざる守備で、塩釜も盛岡もどっちもどっちという感じの攻防を広げる。
目当ての西はというと、前半に何本か、前線に向かってものすごくいいパスを出したのだが、生憎それを拾いに行く選手が一人もいず、効果はゼロ。
でも全体的にグルージャの選手はボールウォッチャーになることが多くて、守備ではプレスがゆるい、というか殆どしないし、攻撃ではゴール前に詰めたりする選手もいないしと、色々前途多難な様相。
それでも前半は西を応援に来ただけだし、と、なんとなくゆるーい感じで観戦していたのだが、前半塩釜に点を入れられると俄然応援気分に火がついてしまった。
しかも、先制点を決めてからの塩釜は突然動きが生き生きとし始め、それまでは引いて守ってカウンターというスタイルを貫いていたにも関わらず、攻撃主体のチームにと変貌してしまった。
そんなわけで前半は、盛岡が最後まであまりいいところを出せないまま終了してしまった。



ハーフタイムに入って、やおらお茶でも飲もうかと思っていると、周囲から「財前たちが来てる」という声が聞こえ、ふと見るとベガルタ財前宣之萬代宏樹が来ていた。
なんとなしに見ていると、彼らはスタンドのいちばん前まで降りて行き、グルージャの選手たちが出てくるところの上あたりに陣取っていた。
しかもふと見ると、中田洋介もいつの間にかいる。
彼らは結局、ハーフタイムが終わるまで柵のところにかがみこみ、一心に真下を覗き込み、西が出てくるのを待って声をかけていた。
声をかけられた西も因みに、ピッチに出て行きがてら振り向きながら笑顔を見せていたのだが、そこにかかったのが「西くん、がんばってー」という黄色い声。
おお、西のグルーピー?と、ちょっと面白かった。


さて後半。
グルージャの選手たちは前半とはうってかわって足が動くようになっていた。
ハーフタイムになにが起こったんだ?と思うほどの変わりよう。
ようやくサイドを使っての攻撃が出来るようになり、数回に一度は良い攻撃を見せるようになる。
とはいえ、まだまだ改善点も多い。
いちばん気になったのは、パスの出しどころが悪いというところ。
ボールを持っている選手が塩釜の選手に囲まれると、とりあえずキープしたままDFをかわそうとするのだが、キープすることにいっぱいいっぱいになってしまい、ついバックパスを出しがちになってしまう。
その上、バックパスの出しどころがまた悪い上にパスのスピードも緩いため、すぐに相手にとっての好機を作ってしまうのだ。
こういうありえないようなミスが何度も続くのを見るにつけ、だんだんと応援にも熱がこもり、最後の方はしっかりグルージャサポとして声援と叱咤の声をあげてしまった。
でもわたしたちの周囲も似たようなもので、グルージャ側の惜しいシュートがあると溜息が起こり、塩釜の選手がシュートにまで持ち込むと、グルージャのDFに対して怒りの声があがったりした。
なにしろ、後半の最後のほうはグルージャ側が猛攻をかけるべきところなのに、塩釜に押し込まれていて、塩釜も下手だから助かったようなものの、本当に危ない場面の連続だったのだ。
しかし最終的にはグルージャの選手がロスタイム終了ぎりぎりにシュートを決めることが出来、その瞬間にはスタンドが総立ちになった。
わたしと友人も立ち上がって飛び上がり喜んでしまったのだが、ふと隣を見ると、隣の知らないおじさんが友人とハイタッチしそうな空気を醸し出していた。友人は無視していましたが。
そして、随分向こうの方にいる財前ほかベガルタの選手たちも、同じように立ち上がって喜んでいたのだが、グルージャの選手たちも一斉にベンチに集まってきて狂喜していた。
まだ勝ったわけじゃないのにな、と、ふと思ったのはきっとわたしだけではなかったと思うが、それはそれとして、わたしもしっかり浮かれていたのだから他人のことは言えないというものだ。

試合はそんなわけで、グルージャの点が決まったあとすぐに終了したのだが、ほんとうに楽しい試合だった。
試合の内容自体は、Jリーグのレベルに比べたらお話にならないくらい落ちるが、知っている選手を応援するだけでも相当満喫できる感じだ。
グルージャのサポーターはなによりも熱心で、ゴール裏にも旗を掲げた人たちが歌を歌ったり、選手のコールをしたりしているのにわたし達も引きずられた感があるが、最後のほうはすっかりグルージャサポになってしまっていた。
今度、仙台市内で試合をやるようなことがあれば、また是非観に行きたい。
勿論、グルージャ側の応援で。
ああ、西が元気みたいでほんとうに安心したよ。