奥様は魔女 ★★★★☆

Ura2005-09-25


監督・脚本 ノーラ・エフロン
出演 ニコール・キッドマンウィル・フェレルマイケル・ケインシャーリー・マクレーン

往年の大ヒットドラマ「奥様は魔女」を下敷きとした映画。
落ち目の映画スター、ジャックが「奥様は魔女」のリメイクでダーリンを演じ、復活をはかる。
自分を引き立ててくれて、あの有名なサマンサの鼻の動きを再現できる新人をサマンサ役にと考えていたところ、本屋で出会ったのがイザベル。
彼女のチャーミングな魅力でドラマは大ヒット間違いナシと相成り、二人の間に恋も芽生えるが、そのイザベルこそは本物の魔女であった。

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うまいなあ、と思う。
なにがうまいって、そりゃ、ラブコメの見せ方が。
しかも、この映画は「奥様は魔女」を下敷きにして、且つひねりの入れた物語になっているため、そのドラマの使い方もよく考えてあるなあと、感心することしきり。

作中、キッドマンがサマンサ役に抜擢された本物の魔女を演じているのだが、見れば見るほどかわいくて魅力的。嘗てのエリザベス・モンゴメリーに全然負けてないと思わせる存在と輝きで素晴らしかった。
唯一気になったのは、キッドマンが普段よりも半音くらい高い声を出し続けることで、妙な違和感が最後まで残った。
一方のウィル・フェレルはダーリン役で映画スターに復活の道を模索するジャックを演じている。
これがもう、見ているだけで爆笑連続のはまり役。
多分みんな忘れていると思うのだが、「奥様は魔女」オジリナル版でも、ダーリンというのは結構いやなやつだったのだ。
その「比較的」嫌なやつであるところのダーリンがエンドラによって蛙にされたり、風船のように膨らまされたり、挙句の果てには鏡の向こうに追いやられたりするから、あれほど愉快だったのではないか。
この新しい「奥様は魔女」でも、こういったダーリンに対する魔法の悪戯やら復讐やらが降りかかってくるのだ。そしてウィル・フェレルは魔法にかかった「下等動物」のパニックぶりを、見事に披露してくれるのである。
これはもう愉快というほかない。

ちなみにシャーリー・マクレーン演じるエンドラはオリジナルにそっくり。
往年の大女優がエンドラを演じているという設定もありそうな話で面白い。
そしてイギリスの名優、マイケル・ケイン演じるイザベルの父親は、オリジナルでのサマンサの父親よろしく、娘を溺愛する心配性の父親を魅力たっぷりに演じていて楽しいことったらない。
年甲斐もなく女好きなところもオリジナルと同じだ。


なにしろこの映画は、「奥様は魔女」というあまりにも有名なドラマを二重構造という面白い仕組みにして成功している。
あとはキッドマンとフェレルを始めとする俳優陣の素晴らしさによるところを多としている。