ドラマティック!

日曜日はスタジアムでベガルタの試合観戦。
J2首位の川崎フロンターレ戦だったので、普段よりもサポーターのボルテージも上がった。
なにしろ、ベガルタはどういうわけか、上位チームに対しては結構強いのだ。この川崎相手の試合も、ここまで二戦中一勝一敗。
因みに、この日の観客動員数は今シーズン最高の1万8千人超え。

試合内容はというと、前半こそは川崎相手にいい場面を何度も作り、数多くのシュートを打ったが、点が入らない。一度、FWの寿人がゴールしたように思ったが残念ながらオフサイド
その後、34分にはついに川崎側の点が入ってしまう。

後半になると、試合内容はあっという間に川崎ペースに。
ここから先は殆どベガルタのいいところが無かった上、67分には川崎に追加点を入れられてしまう。
その上、ロスタイム突入直前くらいに川崎側に負傷した選手が出、それは仕方ないとしても、どういうわけかその選手とメディカルスタッフがピッチを横切ってベンチに戻ったのだ。
審判がそんなことを許可したという事実にも吃驚(そして激怒)したが、周囲にはもっと行き過ぎたサポーターが二人ほど居て恐ろしく怒っていた。
それと、GKコーチのレナシも川崎のメディカルスタッフに向かって憤っていた。殆ど今にも相手に掴み掛からんという勢いで。まあ、当然だよな、と思う。(彼の名誉のために言っておくと、レナシは勿論相手に掴みかかるなんて事はしなかった)

そんなことがあったにも関わらず、ベガルタサポーターの応援歌は一瞬も止むことなく続いていた。殆ど悲痛な叫びともいえるほどだ。
ところが、ロスタイムに入ってからのことなのだが、シルビーニョからうまい具合に中盤を抜けて前に出たパスを寿人が受け取り、そのままシュート。
その瞬間、スタンド全員が総立ちになって歓声を上げた。
喜びもつかの間、点を入れた当の寿人は自分がゴールに蹴り込んだボールを抱え、再びピッチの真ん中に走って戻った。
今思うと、二点目取る気満々の行動だが、その後見事にも寿人がもう一点追加するのだ。

この追加点のお陰で、この日は川崎と引き分けに持ち込むことが出来たが、わたしを含めてベガルタのサポーターは殆ど勝ち試合のような喜びようだった。
実際、二点目が入った時には、再びスタンド全員が総立ちとなり、殆どの人が泣きそうになっていたのではないだろうかと思う。
因みにわたしはその時、隣の隣に座っていた高校生くらいの男の子と目が合ったのだが、彼も描写しようのないような微妙な顔をして立ち上がっていて、つい数秒見詰め合ってしまった。

しかし、この日の試合はほんとうに劇的だった。引き分けとはいえ、勝利と同じくらい価値のある試合だった。
しかも、この後寿人のインタビューを読んだところ、ロスタイムで二点も挙げたくせに、

「引き分けってことは勝ち点を2落としたってことなんだ。相手が誰であろうと、勝たなきゃダメなんだ」

みたいなことを言っていた。確かにJ1に上がるためには、川崎が相手だろうがなんだろうが、常に勝ち点3を取らないとダメなんだよね。反省。