ポール・デルヴォー展  福島県立美術館

Ura2005-03-12



福島県立美術館までポール・デルヴォー展を観に行って来た。
今回の展覧会はデルヴォー一人に焦点をあてているので、展示数も多いし、油絵のほかに習作のデッサンやモデルが当時着用していたドレスなども参考展覧してあって面白かった。
展示してある絵も1930年代から80年代までと幅広く展示してあった。
30年代に描かれた「Le recitant(語り手?かな)」という絵では、半裸体の男性が左手におり、その右には画架が置かれている。そしてその画架には、マグリットが描いた裸体である女性の胴体に豊かな金色の髪の毛がかかっているというモチーフの絵がある。そしてその絵の上にはロザリオがかかっているなど、当時デルヴォーシュルレアリスムに傾倒していたことが如実にあらわれていて、ほんとうに興味深い。
この絵以外では、わたしは60年代の作風が好きで、個人的にはこの頃にデルヴォーの作風が円熟期を迎え、かつ完成していると思う。
そして、女性が多くは裸体で登場することの多い彼の作品だが、彼の絵では常に空間は開かれており、女性たちは出て行きたければすぐにでもその場を離れることが出来るというのが、なんとも好ましいではないか。
時には女性たちの背後に汽車が止まっていたりするのも、決して偶然ではない。


ベガルタ甲府戦(アウェイ)があったので、出掛けながらも、途中試合が気になって仕方ないこともあったが、遠くまで行った甲斐があった。