「星の王子様」 倉橋由美子翻訳
内藤訳よりも随分こなれた口語体になっていて読みやすかった。
とは言え、子供の頃から内藤訳で読んでいることもあり、別に新訳を出す必要性とかは感じないのも事実。
倉橋由美子はやはり毒と耽美性に富んだ小説にこそ、真骨頂があるのだ。
彼女がついに鬼籍の人となってしまったことが残念でならない。
- 作者: アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ,倉橋由美子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/06/27
- メディア: 単行本
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「文藝 山田詠美特集」
山田詠美のことが特にすきなわけでは全然ないが、しばらく前にふと「PAY DAY!」を読んだところ、記憶にある山田詠美作品とは随分変わっていたので、一体なにをして彼女が(あるいは彼女の作品が)変化したのかを知りたくて買ってみた。
ちなみに「PAY DAY!」は内容も去ることながら、わたしから見るとどう考えても英語で考えた文章を日本語で書いているというような、翻訳文とはちょっと違うのだが、変わった文章で、それも引っかかるところだったのだ。
特集では島田雅彦との対談が面白い。
島田氏曰く「元プリンス(あるいは青二才)と元ビッチの対談」らしい。
でも冗談はさておき、彼らの作品がどのようにして変遷を経たのかと言うようなことがおぼろげに分かるのが興味深い。
不幸な人生に縛られる作家の不幸というのも面白いね。