コープスブライド  ★★★★☆

Ura2005-10-31


監督  ティム・バートン
出演  ジョニー・デップヘレナ・ボナム・カーターエミリー・ワトソン

ティム・バートンによる立体アニメ作品。
舞台は19世紀のイギリス。
魚商人出身の、金はあるが家柄は悪いという成金の息子ヴィクターと、家柄だけは素晴らしいが財産はとっくの昔に失ってしまった家の娘ヴィクトリアが見合い結婚することとなる。
ところが、結婚式のリハーサルで、ヴィクターは儀式の手順をさっぱり覚えることが出来ない。
神父には式を延期すると言われ、恥ずかしさと恐れから森に逃げ去ったヴィクターは、そこで結婚式の練習をするが、練習のために誓いの言葉を言いながら指輪をはめた枯れ枝は、実は死体の花嫁の指だった。
なんと、ヴィクターは死体と結婚してしまったのだ。

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面白かった。
ティム・バートンのアニメって絵のタッチが独特で、なんとなくそれに見入ってしまいがちなのだが、この作品に限っては、見ている間に自分がアニメを見ていると言うことも忘れてしまった。
面白いくらいデフォルメされた人物ばっかり出てくるのになあ、不思議。
しかし、いかにもアニメの設定らしく、ヴィクターとヴィクトリア両家の両親がどっちも意地悪というのが笑える。
意地悪でしかも強欲。
そんな両親に育てられたためか、当の子供達はどちらも控えめで、いつもか細い消え入るような声で話している。
それに比べると、対する地獄?のほうはいかにもキッチュ、カラフルで、コープスブライド、つまり死体の花嫁がいかに死んだのかという悲劇的な話までも、アップテンポのリズムにしっかり乗せて歌いきってしまう。
ちなみに初めてこの死体達のショウ?を見たときは、即座に「チャーリーとチョコレート工場」のウンパルンパを思い出してしまった。
いや、ウンパルンパ健在!
そして、死体の花嫁は世にも切ない運命の、かわいらしくも可愛そうな女の子であった。
それに比べると、生きているヴィクトリアのほうがなんとなく生気に欠けているような気がする。
ま、ヴィクターがそもそもあまりエネルギッシュなところのない若者だから、お似合いといえばお似合いか。


とにかく、死んだ犬にもう一度会えるのかと思うと(それが白骨化していたとしても)、地獄もそれほど悪くないなと言わざるを得ないなあ。