ホテル・ルワンダ ★★★★★

Ura2006-03-09


遅ればせながら
ホテル・ルワンダ
を観てきた。


この映画はもともと、日本での配給元が見つからず、
有志の方々が日本でも是非上映されるようにと
色々活動してくださった結果、観られるようになったという
まあ、いわくつきの映画である。


なぜ、配給元が見つからなかったのか。


なぜならば
この映画には
ケビン・コスナー
レオナルド・ディカプリオ
あるいは
ジュリア・ロバーツ
などという
ブロックバスターを保証するような俳優は一人も出て来ないし、
ロマンティック・コメディや
動物が出てくる涙もの
というような
人々がこぞって観たがるような内容ではない。
一言で言うならば、
むしろ目を覆いたくなるような
虐殺に虐殺が繰り返される国際政治にも深く関わった映画なのである。


しかし
この映画はおそらく誰もが観るべき類の映画である。


普段ならば

真実の物語

というフレーズに辟易してやまないわたしだが、
真実を語るということに意味のある映画
というのが存在するのを知ったという意味でも
貴重かつ素晴らしい映画である。


それにしても、
あれほど困難な局面で勇気と知恵を発揮できる人間がいるとは、
尊敬に値するとしか言いようがない。
その人物を演じた
ドン・チードル
もまた
素晴らしかった。


差別というのは、唾棄すべきことであって、
どんな理由が背後にあろうとも、決して許されることではない。
特に
わたしは黄色人種というマイノリティに属す側の人間だし、
差別というのはマイノリティの中にこそある
ということを
決して忘れずにいようと思う。




監督: テリー・ジョージ
脚本: テリー・ジョージ、ケア・ピアソン
出演: ドン・チードルソフィー・オコネドーニック・ノルティホアキン・フェニックス