焼き肉屋に行くカップルは
「女はギャップ」 名越康文著
またもや名越氏のあたらしい著書を買ってしまった。しかも男性心理を恐ろしく単純化したという本。
本の内容自体は、「現代の男は臆病だから、女の子がちゃんとやってあげてちょうだい」という、男の子に優しい内容となっている。
でも確かに色々鑑みるに、現代の男というのはどんどん中性化しているような気がするし、もっと言えばメス化しているのじゃないかと思うようなことが多々あるのだ。
そりゃ、恋愛においても女の子が主導権を握ってあげたほうが、うまく行くのかもしれない。
ところで、本書でもっとも面白かったのは、焼肉屋を食べに行くカップルについての考察。
焼肉屋に行く男女はできている、というのが通説となって久しいが、これは焼肉にいって臭くなっても大丈夫なくらい親密、というようなことが理由なのでは決してなく、本来は「残虐性の共有」ということに意味があるらしい。
そもそも、焼肉を食すという行為自体が、狩に行って獲物をとり、それをさばいて血のしたたる肉を一緒に食べる、ということの代償行為らしいのだ。
そして、その残虐な行為を共にすることで、お互いの本能をさらけ出して見せ、距離を縮めるのだという。
まあ、そもそも肉を舌の上にのせるだけで人間は興奮するそうなので、焼肉の効果ったらないのかもしれない。
それにしても、残虐性の共有、とは、なんだかうっとりするフレーズではあるよなあ。
相変わらずセンスのいい人だ、と思わずにはいられない。
そして表紙が田辺あゆみの写真というのも、なにか暗示的。
- 作者: 名越康文
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 単行本
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「ポーリーヌ」 アレクサンドル・デュマ著
- 作者: アレクサンドルデュマ,Alexandre Dumas,小川節子
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「漢方小説」 中島たい子著
- 作者: 中島たい子
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