ベガルタ仙台×水戸ホーリーホック 4-1

今日はホームにて水戸戦。
今日無失点で試合を終えた場合には、なんとJ2リーグの無失点記録タイの7試合を記録するとのことだったが、結果は残念ながら記録タイとはならず。
しかし、最も大事な試合結果は素晴らしいとしか形容の仕様が無い、4-1での圧勝。
相手がどん引きで対応してくる水戸ということを考えれば、この結果は手放しで喜べるものなのじゃないかなと思う。

試合内容に関して言えば、完璧だったというわけでないのだが、このことはむしろプラス要素なのじゃないかと思う。
何しろ、先は長いのだし、第一クールでチームが完成されてしまったら、あとはもう落ちるだけ、ということになってしまうではないか。
それよりも、この先着実にチームとして成熟していくほうが、長い目で見て安心できるというのが実際のところだ。
しかも、今よりも更にチームが成熟していくとなると、もうどうなってしまうのか、考えるだけで胸がきやきやしてしまう。
ああ、今年の仙台は観ているだけで楽しいなあ、と今更のように思ってしまう。


試合内容に関しては、前半は水戸が試合の主導権を握る形で始まったが、それもまあいつものことだよという感じで観ていたところ、なんと水戸のセットプレーから簡単に失点してしまった。
それが前半の18分。
中央からのFKで、高桑の前に長身の選手たちが何枚も並んだため、おそらく水戸の吉本がボールを蹴るところが、高桑からは見えなかったのではないだろうかと、後にサンタナ監督も言っていたが、高桑はまさに飛んでくるボールに対して立ちすくんだように動けなかったのだ。
この失点場面は、実際にメインから観ていてもかなり微妙で、高桑は飛んできたボールに対して一歩も動いていないし、こちらから見ているとサイドネットを揺らしたように見えたこともあり、無効だろと勝手に思ってしまったほどだった。
しかし、勿論ゴールは有効で、水戸が先制点を決めた形になってしまった。


水戸がどん引きで来るチームなため、仙台としてはどうしても先制点を取られるのはいやだったと思うのだが、取られてしまったものは仕方ない。
仙台はその後も果敢に攻撃を仕掛けるが、これがなかなかゴール前のフィニッシュまで持っていくことが出来ない。
こうなると仙台側は悪い時のサッカーをし出してしまい、自ら首を絞めるような格好となってしまう。
つまり、チーム状態が良い時にはサイドを使ったプレーの多用によって、厚みのある攻撃を繰り広げられるのだが、状態が悪くなると途端に前線のブラジル人頼みになってしまい、真ん中のスペースの無いところにばかりボールが入るようになる。
勿論、そういう場所には相手方DFがぞろぞろいるので、簡単にはボールは通させてくれないし、ゴール前まで走りこむことも困難になってしまう。
そんなこう着状態が続く中、ロスタイムに入る直前くらいに直樹が目を見張るようなボレーシュートでゴールを決めた。
これは確かボールが落ち着かなかったのが、後ろから直樹のところにうまい具合に飛んできて、それを無理やりボレーでシュートという感じだった。
これがどんぴしゃでゴールネットを揺らし、スコアはドローと振り出しに戻る。
しかも、この後すぐにチアゴがドリブルからシュートまで持ち込んで逆転しているのだ。
これは確か、執拗なマークを受けていたボルジェスが、チアゴから受けたパスをワンタッチで前にちょろっとボールを出し、それをチアゴが再び受け、そのままドリブルで持ち込んだのだが、これはまさに個人技の勝利という感じの得点だった。
この劇的な逆転で前半は折り返した。


後半は一転して、ほぼずっとベガルタペースで試合が進行した。
面白かったのは、前半は殆どずっと守備ラインに消えていた梁が攻撃にどんどん顔を出すようになったことで、やはりチームの状態がいいときは梁が攻撃に参加できるのだな、ということを実感した。
それから、後半になるとロペスに対するマークがやや甘くなったように感じた。
ロペスが自ら動いてマークを振り切っていたというのもあるのだろうが、こうなるともうロペスはやりたい放題にパスを出し始める。
それがうまく行ったのが68分の菅井の得点シーンだ。
ロペスが中央から右上のスペースに出したボールを、駆け上がってきた菅井がシュートで得点。
これは菅井もそうだろうが、ロペスも随分嬉しかったようで、サポーター席前で喜ぶ菅井とチアゴのところに駆け寄ったロペスは、菅井の背中に覆いかぶさって狂喜していて微笑ましかった。


駄目押しの四点目はずっとマークを受けていたボルジェスの得点だった。
あまりにもしつこいマークが続いているので、なんとかボルジェスに得点させたいと思っていたのだが、74分ボールを持って左に流れたチアゴが絶妙のタイミングでボルジェスにスルーパスを出したのだ。
ボルジェスはDFの裏を既に取っていたので、すぐにGKとの一対一まで持ち込み、あとは落ち着いてボールを流し込むだけ、という感じでゴールした。
因みにひとしきり喜んだあと、ボルジェスは思い直したようにサポーター席南側に駆け寄ろうとしたのだが、それを主審に止められてちょっと心外な顔をしていた。
多分あれは、サポーターの前でバック宙をやろうとしたんだろうな、と思ったら、すごく可笑しかった。
次回は是非ともバック宙を見たいと思う。


四点目の得点のあともベガルタは攻撃の手を一切緩めることなく、最後まで攻撃し続けた。
前半こそは押し込まれる場面もあったが、後半の出来はすごく良く、両SBの菅井、磯崎も随分と上がっていたし、梁、熊林の献身的かつ驚異的な運動量は感嘆するほかなく、守備陣の安定した守備と一対一での強さには脱帽、そして前線の選手たちの途切れることのないゴールへの探求心には呆れるほどだった。
おそらく、今日の後半は水戸の選手たちにとっては随分と長かったのじゃないだろうかと思う。
4点も取られたら、そりゃ嫌だろなあ。


今日は因みに、仙台のほか、東京ヴェルディ、柏、横浜FCも同様に勝ったため、首位までの勝ち点差は変わらず、仙台の順位は暫定二位だが、次節は柏が休みのため、勝てば単独首位に躍り出るという計算になる。
いやあ、第一クールからこんなに浮かれるような結果でいいのかと思ってしまうが、勿論いいに決まっている。
次節札幌戦はアウェイなので、わたしはTV観戦、しかもその次の湘南戦は用事があってビデオ観戦になってしまうが、この調子で勝ち点を積んでいってほしいと思う。