Madame Edouard マダムと奇人と殺人と

Ura2006-05-25


監督・原作・脚本: ナディーヌ・モンフィス
出演: ミシェル・ブラン、ディディエ・ブフレドン、ジョジアーヌ・バラスコ、ドミニク・ラヴァナン、アニー・コルディ


舞台はベルギー、ブリュッセル
美大生連続殺人事件”が発生。死体はそれぞれ名画収集家の墓の後ろに隠されていて、右の腕が切断されている。
レオン警視は、なぜか触ったものが次々と壊れる助手の刑事ボルネオと、ぼやいてばかりの愛犬バブリュットを連れて、捜査を開始する。次々と発見される死体。謎の人物からの電話……。そして、レオン警視が辿り着いたのは、下宿付きのビストロ“突然死”。そこには、ちょっと変わったキャラクターの人々ばかりが集っていた。
おかまのイルマ。いつもロゼワインしか飲まないローズ。まずい料理ばかり作るコックのジェジェ。いつも鳥を連れている老人。等々。
彼らは口々に事件の事など知らないという。しかし、店の評判が落ちることを気にして、実は、下宿人が行方不明になっている事をひた隠しにしていたのだ。
そんな中、イルマが一大決心をする。それは、かつて付き合っていた女性(!)との間に生まれた実の娘の
マリーと対面すること。それも“おかま”というありのままの姿で。

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結構面白そうだったので借りてきたのだが、蓋を開けてみると、思った以上に荒唐無稽。
話のピントが何処に合っているのか、いまいちわからないので、クライマックスというクライマックスが無いまま、なんとなく話が終ってしまったという感じだ。
しかし、よくよく調べてみると、監督のモンフィスは本作の下敷きとなっている「レオン警視」シリーズを含む三十作品以上を出版しているというではないか。
なるほど、シリーズ物なのか、と思うと腑に落ちる。
このミシェル・ブラン演じるところのレオン警視やその周辺のおかしな人々も、シリーズ物という枠の中で見れば納得できるし、この映画が殺人事件に重きを置いているのか、レオン警視の周辺のおかしな人々に置いているのか、いまいちはっきりしないという問題も、どうやらその辺に端を発しているようだ。なるほど。


まあ、そんなわけで、はっきり言って、それほど面白くは無かった本作。
ミシェル・ブランを始めとする良い俳優陣をそろえているだけに勿体ないと言わざるを得ないが、こんなこともあるのだろう。
とりあえず、見所は、処理に困ってでっちあげたとしか言いようの無いオチか。