インサイド・マン ★★★★☆

Ura2006-06-02


監督: スパイク・リー
出演: デンゼル・ワシントンクライヴ・オーウェンジョディ・フォスター


私はダルトンラッセル。
二度と繰り返さないからよく聞け。
私は銀行を襲う完全犯罪を計画し、そして、実行する——

 「パーフェクト塗装サービス」のバンがマンハッタン信託銀行の前に停車し、ジャンプスーツを着た男たちが降りてくる。やがて彼らは銀行の中へと進む——。それが史上空前の完全犯罪の始まりだった。完全武装した犯人たちは銀行内にいた従業員と客を人質に取り、全て計画通りに素早く行動を開始。「全員床に伏せろ!これから我々は、この銀行から多額の金を引き出す。」
犯人グループはリーダーのダルトンラッセル(クライブ・オーウェン)以外に3人。互いに“スティーブン”、“スティーブO(オー)”、“スティービー”と呼び合い、駆けつけた警官に「ヒトジチトッタ。チカヅイタラ、ヒトジチコロス」と外国なまりで伝えるのだった。

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試写会にて本作を鑑賞。
最初は単純に、銀行強盗に入った強盗団を、警視庁の交渉役の人たちが逮捕に向けて奮起するという話なのかと思ったが、どっこい、そんなに単純な話ではなかった。
詳細を書いてしまうと、映画を観る楽しみが損なわれてしまうので割愛するが、強盗のリーダーであるクライヴ・オーウェンの知能と、交渉人であるデンゼル・ワシントンの頭脳対決という感じだ。
途中で、そこに絡んでくる弁護士であるところのジョディ・フォスターはしかし、あまりうまく描かれていなかった。
最近彼女は「強靭なアメリカの母親」というような役どころが多かったように思うので、今回のような魅力的かつ知的な女性を演じるのを楽しみにしていたのだが、なんだか肩透かしを食らってしまった。
乱暴なことを言えば、彼女は別にいなくても良かったような気すらする。
彼女がいることによって、クライヴ・オーウェン演じる強盗の人格の輪郭が少しだけわかるような仕組みになっているのだが、それは別にほかのところで明らかにしても良さそうなものである。
なんにしても、中途半端な役どころだった。


詳細を書けないのは残念なところだが、観客がデンゼル・ワシントンと共に、話が進んでいくにつれて少しずつ事実がわかっていくという体験が出来る稀有な作品である。
それにしても、クライヴ・オーウェンいいなあ。