バッタの外国旅行?

Ura2007-09-08


オーシャンズ13」を観にいった帰り道のこと。
立体駐車場の駐車スポットから車を出して、螺旋状になっている坂道を下っている途中、
突然真上から、小さな影がフロントガラスに落下してきた。
なに?
と思っていると、それは一匹のバッタ。


バッタは遠心力と風の両方によって、車から振り落とされそうになるのをこらえるため、懸命にその細い足でガラスにへばりついていた。
実際、始めのうちこそは、車の屋根側を向いてガラスにはりついていたバッタだが、だんだんと遠心力のかかる方向を学んだようで、徐々に体を移動させ、最終的にはボンネットに対して平行となる体勢に落ち着くという適応能力さえ見せたのだ。
こうなると、運転しながらさえ、バッタのことが俄然気になってくる。


一般道に出てからも、バッタが振り落とされないようにと、普段よりもややスピードを落としながら走ったものだから、後続の車は隣のレーンに移り、どんどんわたしたちを追い抜いていく。
そうやって五分程もフロントガラスのバッタと共に走っただろうか。
やがて交通量の多い街中に差し掛かると、スピードを落として走っているとはいえ、隣のレーンの車とすれ違うときに舞い上がる摩擦風まで起るので、それまで頑張っていたバッタといえども、風と一緒に舞い上がりそうになることしばしば。
いよいよ意を決したわたしは、一番端のレーンに移り、車を停めて、バッタを車から降ろすことにした。
と言っても、そんな巨大な?虫は触れないので、バッグの中にあった適当な紙片で移動させることにしたのだが、そこはバッタ、紙片でそっと触れるか触れないかの瞬間に、ぴよーんと宙に跳ね上がり、どこかへ消えてしまった。


それにしても、あのバッタがほんの十分程度の間に移動した距離を考えると、気が遠くなりそうである。
そもそも、シネマコンプレックスのある建物にも、どこかからか車で移動してきたのに違いないので、それを考えると、バッタの大きさからすると考えられないくらいの距離を移動したことになる。
人間の大きさに換算すると、日本からヨーロッパまでの距離にも相当するのではないだろうか。やれやれ。



ちなみに、「オーシャンズ13」はというと、長い長い映画だった。
ところどころで単発の面白場面が挿入してあるだけの、なんてことのない映画だった。
一番おもしろかったのは、マット・デイモンのつけっ鼻だな。うん。