今日読んだのは澁澤龍彦の「うつろ舟」。
彼の小説は久しぶりに読んだのだが、その流麗な日本語についうっとりとしてしまう。
これに比べれば、最近の現代文学などは読むに耐えないという感じだ。でも勿論、文学というのは進化しているものなので、一概に昔のものが全て良くて、今のものは全て悪いという風には言えないし、言うべきではないだろう。
しかし、なんというのかな、澁澤の小説に漂うガラスのように清廉なエロティシズムにはやられてしまうなあ。
どんなにきわどいことが書いてあろうとも、それは常に乾いていて、例えば谷崎の描くエロスなんかとは完全に趣きを異にしているのだ。
まあ、わたしは晩年の谷崎が描いたようなねばっこい情念も全然嫌いじゃないんですけど。

さて、明日は映画の日