セール初日ということで、フルカウントに行ってみたが、ざっと見る限り目ぼしいものがない。
連れがいろんなパンツだのジーンズだのを試着している間、キンキンに冷やされた店内に置いてある椅子に座って待っていたのだが、ふと見ると目の前にいる男の店員が見覚えのあるパンツをはいている。
よくよく観察してみると、それはどうやらヘリンボーンのようにして織ったコットンパンツで、去年欲しい欲しいと思いつつも買いそびれたものだったので、ここぞとばかりに店員を捕まえて試着することにした。
ところが、ここで声をかけた店員の対応が遅いのなんの。
そのとき試着室がたまたま空いてなかったので順番を待っていたのだが、わたしの番がようやく来たときには、とうに用意されていてしかるべきのパンツを店員がなんと失くしてしまっていて、手足が冷房で既に冷えている上、長い間待たされていた苛立ちがどんどん募っていった。
当然その店員は他の店員達に色々聞いてまわって目当ての商品を見つけてはきたのだが、やっとのことで試着すると、わたしがレディースのパンツを穿いているにも関わらず、メンズのサイズがどうのこうのとのたまい始め、パンツを一本購入するだけなのに永遠に時間がかかるんじゃないかと本気で思ってしまった。やれやれ。
次に買い物に行く時は、もうあの人には何も頼まないようにしようねと、連れと固い決意をしたのでした。

因みにその後、新宿のバーニーズに行くも、あまりの人の多さに気が遠くなり、一応目をつけておいたフセイン・チャラヤンキプロス柄のドレスは試着してみたものの、すとんとした形のミニドレスだったので、なんとなく休日のホステス的いやらしさが出ているような気がして断念。
多分あれがドレスではなくてトップスだったら楽しめたのかなあ。でもまあ、いくらそれ自体がかわいくても似合っていなければ買ってもどうしようもないのだ。

そのあとは待ち合わせていたフランス人の友人と落ち合ってお好み焼きを食べに行く。
この友人というのが実は、まだ一度しか会ったことのない、日本に来たばかりの男の子だったのだが、どう考えても日本に三ヶ月しか住んでないとは思えないくらい日本語が話せる。
勿論、話の内容が複雑になったり、興奮したわたしと連れの話すスピードが速くなるとついてこれなくなったりはするのだが、お好み焼きを食べ終わってカフェに移動する頃には、日本語でべらべら冗談ばかり言ってたもんね。
しかもさすが、共通の友人から紹介されてただけあって、示す興味の方向がわたしとも微妙に似ている。
すっかりキューブリックヴィスコンティの話で盛り上がりつつ、一方ではハードパンクの音楽がすきだというのだから恐れ入る。
散々騒いだあとに最寄り駅まで彼を送り、わたしはその後徒歩で帰宅。

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