ランデブー

Ura2004-09-20



敬老の日
だからと言うわけではないのだが、祖母と映画を見に行ってきた。
わたしとしてはほんとうは一緒に「誰も知らない」を見に行こうと思っていた。なにしろ彼女はもう84歳だし、字幕を目で追うのは辛いかも知れないなどと思っていたのだ。
ところが、数日前、わたしが一緒に映画を見に行こうと言い出した時に祖母が口にしたのは、「華氏911」が観たいという言葉だった。
そりゃあ、うちの祖母はこの年代にしてはありえないほどの高等教育を受けている人だし(当時女子にして大学に行ってるんだから!)、80歳を過ぎてからパソコンを買って練習しちゃうような、時代を常に見据えている人なのだ。
でもまさか、彼女がブッシュ政権打倒というプロパガンダを掲げた映画を観たいと思うとは予想だにしなかったので、驚くことしきり。
とは言え、祖母のこういうハイカラというか、常に前を向いて生きている姿勢はわたしの誇りなので、一も二もなく一緒に見に行くことに決める。
わたしがこの映画を既に見ていることは秘密。



お昼を祖母の家で食べたあと、わたしの運転する車で映画館に向かう。
到着したのが映画上映時間よりまだ大分早かったので、とりあえず近くのスターバックスでお茶を飲むことにした。
スターバックスはこの日、祖母にとっては初体験だったようで、コーヒーではなく紅茶を飲みながらも結構喜んでいたのが微笑ましたかったので、はしゃいだ感じで、ついでに写真も何枚か撮ってあげた。



映画は面白かった。
わたしは二度目だったのだが、それでも結構見せるなあと思っていたのだが、祖母にとってはややショッキングというか強烈だったようだ。
映画を観終わった時、祖母は「これは強烈な思想だね」と感想を漏らした。
この映画がプロパガンダのために製作されたもので、ムーアのメッセージを前面に出したものなのだということを第一前提として観ていたのだ。
わが祖母ながら、まだまだちゃんとしてるなあと感心しつつ、その後二人でお茶を飲んでから帰路についた。
たまにはこうやってまた祖母と出掛けようと思う。多分次は「誰も知らない」を観に。


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