恋人募集中に読む本

Ura2004-12-04



最近お風呂でぼちぼち読んでいる本がある。
「The Between Boyfriends Book」、その名も「彼がいないときに読む本」!
しかも著者はあの「Sex and the City」の脚本家であるCindy Chupackである。
こりゃあ、もうさぞや有効なTipsが満載・・・などと思ってはいけない。
これは飽くまでも日本とアメリカのデーティング比較文化を学ぶために読むべき本なのである。

というのは例えば、アメリカでは誰かと付き合う場合、Seeing someoneという言い方をするが、これは厳密に言うと「付き合っている」という日本語に置き換えることは出来ない。この言葉は単に「デートしている」という意味に過ぎないのだ。
そしてこのSeeing someone という行為は、相手が特に一人でなくてもかまわないことになっている。
つまり、アメリカでは結構たくさんの人が同時に複数の人と「デートしている」ということなのだ。
こういうのって日本ではあまり考えられない。
日本では一応誰かと「付き合う」ことになると、それと同時に複数の人とデートすることは、たまにはあるかもしれないが、それほど一般的ではない。それは所謂、二股ということになってしまうからだ。


本書には彼のいない女性の生活について面白可笑しくいろんなことが書かれているが、こうすれば彼が出来るよ、というアドバイスめいたことは殆ど書いてない。
それよりも例えば、彼がいないときにはついついアンチ・バレンタインに陥りがちだけど、男の人以外にも家族や友達といった愛する人々がたくさんいるんだから、いっそパーティーでも開いてみることにしたよ、などという、半ば自嘲めいた、半ば本気な行動が延々と綴られている。
Mr. Rightを求め続ける著者の姿は「ブリジット・ジョーンズの日記」のブリジットに似て、時折滑稽でもあるようだが、いかにも愛らしくもある。
要するに世の中の人はみんな愛されたいということなんだろうか。


Sex and the City」は1シーズン我慢して観てみたものの、どうしてもその面白さがわからずに断念してしまったが、この本は入浴中、あるいは新幹線の中で読むのにもってこいだ。
でもまあ、実際のところ、日本だから堂々と読めるようなもので、この本を英語圏ではとてもじゃないが恥ずかしくて読めないなあ。というか、日本でもちょっと外では読めない。
だってタイトルがほら、「彼のいないときに読む本」ですから。


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