ハラペーニョと榎木孝明


夜は友人とメキシコ料理を食べに行った。
目の前に料理の皿が死ぬほど並んでいるところを、友人と二人で片っ端から手をつけた。
というのはやや大袈裟だが、そこそこに小食のわたしとしてはちょっとありえないくらいの量を胃の腑におさめた。
タコ(てかタコス?)は当然美味しかったが、意外に気に入ったのはハラペーニョの酢漬けをチーズで巻いたものをフライにしたというもの。
実際に口に入れてみるまではどれほど辛いんだろうと脅えていたが、食べてみるとそれほど辛くなかった。辛いどころか、ピクルスみたいな酸っぱさがほんのり溶けたチーズで更にやわらかい味になっていて素敵だった。
いやまあ、辛いは辛いんですけどね。でも辛いのは旨味と一緒なら全然気にならない。
あとは大蒜のピクルスが美味しかったなあ。
当然、ナチョとかも死ぬほど食べました。サルサとワッカモリをこれでもかというくらいてんこ盛りにして。


食後は年上の友人が20年近く通っているというカフェへ行き、恐ろしく濃いコーヒーを飲んだ。
しばらくそこでだらだら話していると店の扉が開き、入ってきたのがなんと榎木孝明氏。
あまりに突然の出来事だったのでついどぎまぎしてしまい、不必要に満面の笑顔がこぼれまくってしまい、向かいの席からは店に入ってきた榎木氏が見えなかったらしい友人は怪訝な顔をしていた。
でもわたしは母親の影響で中学生くらいからずっとフランスの俳優、ジェラール・フィリップに夢中なので、氏に似ている榎木氏のこともものすごく好きなのだ。
まさか、こんなところでご自身にお目にかかれるとは思ってなかったので喜色満面で帰路につけてよかった。
帰り道、何人もの友人に自慢げにメールしたことは言うまでもない。