仏蘭西料理むらかみ


忘年会というわけではないが、友人と仏蘭西料理店のむらかみへ行ってきた。
この日に出掛けることはしばらく前から決めていたのだが、今日はなんと朝から雪が降っており、そういえば去年はふたりで出掛けるたびに台風が来たり大雪が降ったりしたなあと、嫌なことを思い出した。
なにしろ、わたしのアウェイ初観戦である今年の湘南戦では、これもまた同じ友人と出掛けたのだが、稀に見る土砂降りとなってしまったのだ。それはそれで結局楽しかったのだが、それにしても呪われているとしか思えないこの天気運。
出掛ける頃にはすっかり大雪の気配濃厚となってしまっていた。


そんなわけで天気の呪いにも負けずフランス料理の店へ行ってきたのだが、辿り着いたのはなんともシックな外観の小さな店だった。
そこは一戸建ての個人の邸宅のようで、実際靴を脱いであがるようになっているのだが、余裕をもたせたテーブル配置なのでゆったりとした雰囲気に満ちている。
そしてお料理はどれもこれも美味しかった。
個人的好みから言うと、ちょっと上品過ぎるくらいの味付けの日本人向けフレンチなのだが、おかげで品数の多さにも関わらず最後までしっかり料理を楽しむことが出来たし(メインを二皿食べたのに!)、店を出たあとにもお茶を飲むことが出来たので、良かったのじゃないかと思う。
あえてあげるならば、料理のあっさり感はともかく、デザートがあまりに軽すぎるのはちょっと残念だった。
あそこでもっと濃厚なデザートを出してくれるか、あるいは間にチーズを入れるかにしてくれないと、なんとなく最後まで胃が落ち着かないのだ。
もっとも日本人の殆どはわたしの意見にはあまり賛成してくれないような気がする。あんな感じの。甘さ控えめのデザートがきっとすきなんでしょうから。

とまあ、色々個人的好みから言うと100点満点というわけには行かないのだが、全体的にはどれも美味しくて満足だった。
特にタラのポワレの付け合せになっていたタラの白子が超美味だった。
これはポワレとフライの中間くらいの焼き加減で、外側がカリっとしているのに中はふんわりやわらかく、口に入れた瞬間、驚きの声をあげてしまったくらいだ。
これに比べるとタラのほうはやや平凡だったが、それを込みにしても白子の美味さは忘れ難いものがある。

それと、これだけが返す返すも悔しいのだが、牡蠣とカリフラワーのスープ。
これを飲んでしまったことによって、食事にケチがついたようでほんとうに残念だった。
というのは、何もそれがまずかったとか言うのではまったくなく、どっちかというと、ものすごく美味しかったのだが、わたしが牡蠣アレルギーであるがために、食後数時間してからすっかり具合悪くなってしまったのだ。
実を言うと、スープに牡蠣が入っていると店の人に言われた時、食べるか食べまいか真剣に悩んだのだが、スープなのだからどうせたいした量の牡蠣は入ってないだろうと踏んだのと、あとは一口飲んでみたら、ものすごく美味しかったせいでついアレルギーのことを忘れてしまったのだ。
なにしろ、一口スープを飲むと、カリフラワーの香りが広がり、そのあとに牡蠣の旨味がやってくるという、二重構造の味なのだ。
これに抗えというほうが到底無理ではないか。
しかも、牡蠣を食べれば100発100中であたるというので、ここしばらく牡蠣にはまったく手をつけてなかったため、アレルギーの程度を忘れていたというのもある。
でもこれで完全に懲りました。もう牡蠣はスープだろうが鍋だろうが、絶対に手をつけないようにします。
だって、食後何時間も経ったいまでさえ、微妙に具合が悪いんだもの。やれやれ。


そんなこんなで大雪の中わざわざ食事に出掛けたり、牡蠣にあたったりと、大変な目に遭ったものの、食事は美味しかったし、友人とも久しぶりに会ったので大満足だった。
次回は是非、うな木のうなぎで。