まだまだ町田康
著者が経験したと思われる外道的出来事を綴った本。
たとえば、ある日ある雑誌からインタビューの申し込みをFAXで受けた折、今月はもうスケジュールがいっぱいなので、来月でも良ければ再度打診してください、といったような返事を送ったところ、相手はすっかり著者の返事がイエスだったものと受け取り勝手に話を進めてきたという出来事など。
この話はなんと更に続くのだが、その雑誌というのは寄稿者やインタビュイー(っていうのかしらん?)にはボランティアをお願いしているなどと言い、延々と自社の正当性を押し付けるような印象のFAXを送ってくる。
これは何か新興宗教の勧誘めいた思い込みが感じられるという著者の意見はまったく妥当であり、こういう押し付けがましい態度には辟易するばかりである。
しかし、このような不愉快極まりない出来事を痛快な文体で綴る著者の力量にはまったく頭を垂れるばかりである。
ほんとに町田康、面白い。
因みに「町田康はズルイのである」と解説で述べる井上陽水もタダモノではないと思います。
- 作者: 町田康,荒木経惟
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
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- 作者: 町田康
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