Paul Auster 新作

ポール・オースターの新作「Brooklyn Follies」を読んだ。
最近のオースターの小説では、主人公が文章を書くことになる話が多いなあと思っていたら、これもそうだった。
しかもこの主人公も例に漏れず、人生に絶望しており、なんと「静かに死ねる場所を探して」ブルックリンにたどり着いたのだ。
ところが、死ぬつもりでたどり着いたブルックリンで、主人公ネイサンは甥のトムと偶然再会し、静かに死ぬどころではなくなってしまう。
なんか、最近のこの人の本は希望に満ちていていいな、という気がする。
再生。

そういや、この作品みたいに9.11やらブッシュの再当選というような、実際に起きたポリティカル・イベンツについて書かれているのは、オースターの作品としては珍しいような気がする。
やっぱりアメリカに住んでいる知識階級(というものが未だに存在するのか?)の人々にとっては、特に衝撃的な年が続いているんだなあと思わせられる。

しかし勿論、それはそれとして、人生は同じように続いていくのだが。


Brooklyn Follies

Brooklyn Follies