Dadd's girl

矢川澄子の「父の娘」たちを読んでいる。
Daddy’s girlであるところの森茉莉アナイス・ニン論だが、
この二人を「父の娘」たち、と一辺倒にくくるのはやや無理じゃないか。
著者と親交のあった森茉莉に関しては、
彼女の怠惰な生活と人となりを窺わせる面白い箇所が数々あるものの、
アナイス・ニンに至っては、殆ど論じるレベルまで至ってないような気がする。

とはいえ、
「少女とは精神的な存在である」
という文章は開眼。
少年的ナルシシズムとはまったき対極にあるところの少女論。
この切り口で、むしろ少女論をぶって欲しかったなあ。

ちなみに女の子がすきな女の子である親友はその昔、
フーコーを読む美貌の女の子とつきあいたいと言ってたっけ。
そんなの、わたしだってつきあいたい。
美貌と知性が共存する悪魔的存在というのは、性別を問わず魅惑的なのだ。

ってことで、
三島由紀夫をして「恐ろしく官能的な作品」と言わしめた
森茉莉の「甘い蜜の部屋」は
とりあえずアマゾンで注文。