地球のはぐれ方  東京するめクラブ

Ura2004-11-12



歯医者の帰り道、あゆみ書店に寄って、「地球のはぐれ方」とミシェル・ウエルベックの「闘争領域の拡大」を買ってきた。
前者は村上春樹が主催する東京するめクラブによる旅本っぽい。
まだ名古屋篇しか読んでないのでなんとも言いかねるが、テーマに選ばれた土地に対するディープな旅ガイドっていう感じなんだろうか。
いや、ガイドって感じではないな。
なにしろ、冒頭で村上春樹氏が言い切っているように、この本は雑誌で紹介された頃から単行本になった今に至るまで、情報のアップデートというものが全くなされていないのだ。
つまり、この本を片手に例えば名古屋やハワイに出掛けてみたところで、同本に載っている店が未だ存在しているという保証はどこにもないわけだ。
となると、この本の存在意義は・・・えー、おもしろ本ってことだろうか。


ところでこの本。わたしが既に読んだ名古屋篇に関して言うならば、名古屋独特の食文化をクローズアップした素晴らしい読み物のラインナップだ。
なにしろ、味噌カツ味噌煮込みうどん、そして名古屋にしか存在しない「モーニング」文化はともかく、しゃちほこ丼なるものが存在しようとは、わたし自身、今の今までまったく知らなかった。
そして、名古屋の人々は圧倒的に実家率が高く、大学も名古屋、就職も名古屋、死ぬまで名古屋と言う人が多いということも初めて知った。
これはもう旅ガイドブック(ってわけじゃないんですが)という範疇にはとてもじゃないが収まりきらない、素晴らしい情報源となりうる本だ。
食文化以外において名古屋で特徴的なのは、ラブホテル事情や風俗事情が都市の規模からすると考えられないほど発達しているらしいということだ。
一例を挙げると、名古屋にはウォータースプラッシュがあるラブホがあるらしい。
そんなものがあるラブホが存在するなんて、というか、そんなもの一体何に使うんだ、という気もしないでもない。
それもこれもみんな、名古屋の文化といってしまえばそれまでなんでしょうが。
さて、明日からは名古屋以外、つまりハワイ、清里江ノ島などについて読もうと思います。