伝説の洋食屋?

Ura2004-11-17



昼間、弟妹と待ち合わせて久しぶりに一緒にランチ。
御茶ノ水駅前で待ち合わせたあと、何処で食べようかと色々思案した結果、そういえば、小学館の地下に伝説的な洋食屋があるらしいと、どこかで聞いたのを思い出し、向かうことにした。
この伝説的な洋食屋の名前は「七條」。
まあ、伝説というと言いすぎかな。でも辿り着いたのが奇しくも会社の昼休みとかち合う時間だったので、店の前には10人くらいの行列が出来ていた。
まさか行列が出来ていようとは予想してなかったのだが、どうも見ていると回転が良さそうなので待つことに決めると、列は意外に早く動き、10分も待たずに店に入ることが出来た。


わたしと弟は豚肩肉のポワレ、マデランソースにさつまいものピューレときのこのソテー添えを、妹は金目鯛のパン粉焼き(だっけかな?)を注文したのだが、これがいちいち激ウマだった。
豚肩肉について言うと、肉は飽くまでも柔らかく、マデランソースの優しい甘みとよく合う。しかし、豚肩肉だけあって結構な脂身がついているので、付け合せのさつまいものピューレがそれをいい具合に緩和してくれてよかった。
といっても、わたしにはやっぱりこの料理は脂が多すぎて、とてもじゃないが全部は食べきることが出来なかった。
ちなみに弟はペロリと全部平らげてはいたけれど、似たような感想を持ったらしく、店を出たあとでその旨を言っていた。
鯛料理のほうは比較的平凡というか、よくある類の魚料理で、味自体はよかったものの、特に目新しいところがあるわけではなかった。
とは言え、黄色いソースと魚の周囲にちりばめられた野菜のオレンジや淡い緑色が綺麗だったし、一口食べてみたところ、美味しかった。
ただ豚肩肉のポワレに比べるとちょっとありきたり、と言う気がしないでもなかった。
すごく美味しかったので、次回はデミグラ系の料理を食べに行きたいと思います。

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ランチの後、小学館の近くにあった怪しげな喫茶店に入ることにした。
その店の名前はよくわからないが、入り口の扉の横にはショーウィンドウがあり、そこには南米調のあやしげな人形やフィギュアのようなものが陳列されている。
その上、入り口横には「ココアで癒されますか?」と疑問形の文章が書いてある看板。
「癒し」という言葉ほど胡散臭く、人の警戒心を呼び起こす言葉もないと思うのだが、それが「ココア」と結びつくと奇妙な魅力を持つから不思議だ。あるいはわたしが単にココア好きなだけかもしれないが。

店の扉をおそるおそる押して入ると、店内の四方の壁を飾るのは骸骨の絵ばかり。
どの絵にも決まって骸骨が描かれているのだが、それが異様な明るさに満ちた絵ばかりだった。色も微妙にパステル調。
テーブル席のベンチ(というべきだろうな、多分)にはメキシコ風のファブリックのクッションが置かれ、見渡す限りアステカ文化調だ。
しかも店にいるのは、かなり高齢っぽいマスター(?)一人。
この人はしかし、おじいさん然というのには程遠く、なんとなくテレンス・スタンプっぽい凛々しさと存在感をかもし出している。それでも尚、頭にはこれまたアステカ調のバンダナを巻いているのがまたおかしなところなんですが。

そんな奇妙な店に入ったわたしたちは、とりあえずココアを注文。
一同、アステカココアという、ちょっぴりスパイシーで、ココアパウダーを使わずにカカオから作っているという濃厚なココアを注文したのだが、これが吃驚するほど美味かった。
カカオというのは確か、元々は体に良い飲み物として広がったものだと思うのだが、その当時の人たちはこういう飲み方をしていたのだろうかと思わせるような素敵な飲み物だった。
ちなみに店に入った時は異様な雰囲気の店だなあと思っていたのだが、一旦席に座ってみると、これがいやに落ち着くので、長時間くだらない話を延々としつつ居座ってしまった。
ココアと一緒に出てきたアスパラという、ちょっとしょっからいクッキーみたいなやつがやけにココアと合うので、三人でボリボリ食べていると、マスターが何度もおかわりを持ってきてくれるので、最初は嬉しかったがだんだん恐縮してしまった。その上、しばらくするとココアのおかわりまで持ってきてくれたので、どんどん椅子から立ち上がれなくなってしまった。
勇気を振り絞って帰ろうと立ち上がると、今度は割引券までくれるしさ。
おどろおどろしい店構えには似ない、ほんとうにあったかい店だったなあ。
今度神保町に行くときには、絶対にまたこの店でお茶を、というかココアを飲もうと思う。
ちなみに写真はこの店の看板です。これもまた骸骨。