BOOK

まわりにあわせすぎる人たち

過剰適応の話。 現代日本で子供たちの抱える問題がどんどん表に露呈し始めた理由などについても、かなり言及している。わたし自身に限って言えば、過剰適応の問題は全然ないが、周囲を見渡すと、「他人本位」にはからずもなってしまう人は多いなあと感じる。…

オシムの言葉

本当は全然読む気などなかったのだが、ある日ふらっと立ち寄った本屋で見かけてしまい、立ち読みしたところ、ジェフに初めてオシムがやってきた場面で勇人が出てきたものだから、ずるいと思いつつも、つい購入してしまった。 しかし 本書を読み終わった今、…

かなしみと滑稽さと

「リンさんの小さな子」という本を読んだ。 川上弘美が号泣したという謳い文句が帯に記されているのだが、 なるほど、 平易で美しい文章の中に延々と続く死の予感。 戦火に見舞われた祖国を捨て、息子の子供と共にやってきた異国の地は、 物珍しいが故にエキ…

よしもとばなな/ ビュトール

「みずうみ」 よしもとばなな著みずうみ作者: よしもとばなな出版社/メーカー: フォイル発売日: 2005/12/01メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (105件) を見る「王国 (その3)」 よしもとばなな著王国〈その3〉ひみつの花園作者: よしもと…

Paul Auster 新作

ポール・オースターの新作「Brooklyn Follies」を読んだ。 最近のオースターの小説では、主人公が文章を書くことになる話が多いなあと思っていたら、これもそうだった。 しかもこの主人公も例に漏れず、人生に絶望しており、なんと「静かに死ねる場所を探し…

続・竹内久美子

「恋のカラクリ モテるジーン モテないジーン」 竹内久美子著 見たことがない本だったので、Amazonでつい買ってしまったら、これまでの総括みたいな本だった。 内容は読んだことがあるものばかりだし、竹内久美子が書いているわけですらなく、なんだか委員会…

 美人のひみつ

「遺伝子が解く!女の唇のひみつ」 竹内久美子著動物行動学に関する一般の人の素朴な疑問に著者が答える形をとっている本。 相変わらず、この人の本は面白いだけではなく、目からうろこが出るような事実と仮説に満ちあふれていて楽しい。 例えば、生まれたば…

 村上春樹新刊

「東京奇譚集」 村上春樹著東京奇譚集作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/09/15メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 95回この商品を含むブログ (552件) を見る

 恋愛の本など

「危ない恋愛」 名越康文著誰にでも気を遣いすぎる人が危ない、という本。 みんなに好かれたくて気を遣いすぎる人というのは要するに過度に自分に自信が無いので、そういう人は変な男に捕まりやすいらしい。ところで、この本を読んで初めて知ったのだが、暴…

 アーヴィングほか

「未亡人の一年」(上) 「未亡人の一年」(下) ジョン・アーヴィング著アーヴィングのなにがすきなのかというと、この人の作品の根本で脈々と流れるユーモアだ。 これはかなり初期の作品からそうだったのだが、このアーヴィングという人はどんなに悲惨な物…

ダルタニヤン物語 「剣よさらば」  アレクサンドル・デュマ著

この巻をもって、ダルタニヤンの長い長い旅と冒険が終わる。 最終巻だけあって、老いた三銃士とダルタニヤンは人生の終わりに起こり得る、ありとあらゆる辛苦を経験することになる。 なにもルイ13世の御世にあれほど貢献した巨人達を、これほど苦しめること…

  村上龍ほか

「半島を出よ(上)」・ 「半島を出よ(下)」 村上龍 著 村上龍の本は、ここ数年まったくフォローしていなかったのだが、山田詠美がどっかの対談で本作を誉めていたので、なんとなく読む気になって手に取ったのだが、とても面白くて、一気に読んでしまった…

「姫君」 山田詠美著姫君 (文春文庫)作者: 山田詠美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/05/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (71件) を見る「鉄仮面」 アレクサンドル・デュマ著ダルタニャン物語 全11巻作者: アレクサンド…

山田詠美

「マグネット」 山田詠美著マグネット (幻冬舎文庫)作者: 山田詠美出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2002/04/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見る

 「退廃姉妹」 島田雅彦著

退廃姉妹作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/08/05メディア: 単行本 クリック: 34回この商品を含むブログ (37件) を見る

  「星の王子様」  倉橋由美子翻訳

内藤訳よりも随分こなれた口語体になっていて読みやすかった。 とは言え、子供の頃から内藤訳で読んでいることもあり、別に新訳を出す必要性とかは感じないのも事実。 倉橋由美子はやはり毒と耽美性に富んだ小説にこそ、真骨頂があるのだ。 彼女がついに鬼籍…

金原ひとみなど

風邪で寝込んでいる間に比較的たくさんの本を読んだ。 テレビを観ずに済むというだけでも、風邪をひく甲斐があると思ってしまうほどだ。 ちなみに一週間弱の間、パソコンにもほとんど触らなかった。 パソコンを全然使わないというのはよかった。 パソコンな…

  「ナラタージュ」  島本理生

またもや誰がどういう意図で買ったのかわからないが、家にあったので読んでみたという本。 この著者のほかの作品は一切読んだことがないし、本作を読んだ今、この先も読まないであろうことは確実。あは。 ところでこの作品。一言で言うならば、「拙い」。 最…

  「いつかパラソルの下で」

いつかパラソルの下で作者: 森絵都出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/04/26メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (161件) を見る どういうわけか家にあったので読んでみた。 最初はバイトをしながら男の子と同棲している主人公や、確執…

  Harry Potter and The Half-Blood Prince

ようやくHarry Potter6を読み終えた。 5巻を読んだのはもう確か二年くらい前なので、このシリーズは随分久しぶりに読んだのだが、やっぱり面白かった。 5巻に比べるとやや緊張感が緩んだ感じで話が始まるのだが、後半近くになると話が急展開する。 そして巷…

 暢気な日

目が覚めると昼過ぎだった。 本来は午前中に用事を済ませるつもりだったのが、寝坊したことによって予定が全部狂ってしまったのだが、梅雨とは思えないほどの快晴だったのでプティットをシャンプーしようと思い立った。 ところが「シャンプーするよ」と言う…

  シチリアからただいま

昨日の朝、イタリアから戻った。 今回はシチリアを旅して周ったのだが、いやー、シチリアすごい! なにがすごいって、海の色、乾燥した空気、そこらですずなりになってる柑橘類、そして魚介類などなど。 でもシチリアって基本的にイタリア語が話せないとかな…

 ダリが愛した二人の女

サルバドール・ダリが愛した二人の女作者: アマンダリア,Amanda Lear,北川重男出版社/メーカー: 西村書店発売日: 2001/06/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る

  A・アレー

「悪戯の愉しみ」 アルフォンス・アレー著悪戯の愉しみ (大人の本棚)作者: アルフォンスアレー,Alphonse Allais,山田稔出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2005/03/24メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (12件) を見る 「山といへば川」 …

  伊丹十三

「再び女たちよ」 伊丹十三再び女たちよ! (文春文庫)作者: 伊丹十三出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1975/08/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る「自分たちよ」 伊丹十三自分たちよ! (文春文庫)作者: 伊丹十三出版社/メーカー: 文藝春秋発…

 続・空飛び猫

「帰ってきた空飛び猫」帰ってきた空飛び猫 (講談社文庫)作者: アーシュラ.K・ル=グウィン,D.S・シンドラー,村上春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1996/11/14メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (14件) を見る

  空飛び猫

アーシュラ・K.ル・グウィン著、村上春樹翻訳による「空飛び猫」を読んだ。 絵本でありながら、野良猫の過酷な生活や親猫との別れをあっさり描いているのが好ましかった。 子供用のべったり甘甘の絵本とは大分違っている。 そもそも、母猫から生まれてきた子…

  川上弘美新作

「古道具 中野商店」 川上弘美著 この人って登場人物が場面に3人以上出てくると、突然物語の語り口がぎこちなくなるんだなあと初めて気づいた。 これまでの作品に比べると、かなり完成度は低く、読後感も微妙に平凡。 過渡期的な作品なんでしょうか、これは…

 「二十年後」読了

「復讐鬼」 アレクサンドル・デュマ著

   すきになってはいけない

「好きになってはいけない国」という本を読んでいる。 好きになってはいけない国、それは日本。そして好きになってはいけないと思っているのは、韓国の人々だ。 日本と韓国の間には過去から現在に至るまで、歴史的に色々な問題があって、2002年のW杯共同開催…